エピソードストーリー01 チャレンジデー

Episode01

挑戦の1日、その舞台裏後編:疾走する24時間。
掃除機の1日の販売台数においてアジア記録を樹立したこともある。一つの商品を、1日で、どれだけ多くのお客様に、いかに低価格で提供できるか。通信販売の限界に挑戦する「チャレンジデー」は、関わる一人ひとりにとっても、「挑戦する1日」である。
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インターネットサイト、手動によりチャレンジデー対応に。CS放送でチャレンジデー商品を含めた番組スタート。

スタートダッシュ。

深夜0時とともに、Webサイトの画面がチャレンジデー訴求のページに切り替わった。
と、1分もたたないうちに、コールセンターに最初の電話が響く。あとは途切れることはなかった。

コールセンターのオペレーターは、早くもフル稼働。事前に用意したFAQをもとに問い合わせに応じながらも、想定外の質問が来れば、その場で対応、内容を記録に残した。テレビ、ラジオも一斉に告知を始める。「ジャパネットチャンネル」で、塚本らが5時間をかけて録画したものも当然流れた。

Webサイトの画面が無事更新されたのを確認、松田は一度家に戻った。自宅にいたメンバーも、ただ安穏と出社時間を迎えたのではない。全員が、0時から流される番組やCMを確認、「もっとこうしたほうがいい」を考えていた。

出勤するやいなや。

町田、氏田は、7時に出社するとすぐに、0時から今までの売上を確認。さらに、氏田は、過去のチャレンジデーの実績データと照合し、当日の売上を予測、強化すべきメディアがないかを検討する。

越智はコールセンターに駆け込むと、準備していた通り15分単位で受付状況を確認し、人員計画の微調整を繰り返す。事前の予測を上回れば、すぐに他拠点へ連絡して協力を仰いだ。

松田、塚本のもとには、これまでにコールセンターが記録した想定外の質問や意見、問い合わせが持ち込まれる。ただちに、自分たちの考えた改善点とお客様の声を合わせ、表現の修正準備に取り掛かる。

商品に関する疑問をできるだけ少なくし、問い合わせの件数や時間を軽減、電話がつながりやすい状況をつくるためだ。

お客様の声をもとに、検証、修正

7:00ごろ~
各家庭に見開き・折込チラシ掲載の朝刊配布。
8:45~
地上波で90秒放送開始。
9:29~
地上波30分~90分の生放送番組でチャレンジデー商品の紹介開始。
10:55~
地上波の全国5局同時30分生放送番組でチャレンジデー商品を紹介。

多くの人が朝刊に目を通したのだろう、彼らが出社したころから急に反響が増えた。
2ページフルカラー広告の訴求力はやはり強かったようだ。逆に、9時前から地上波で始まったテレビ放送の内容は、何かが足りないのかもしれない。テレビ制作スタッフと塚本らMCはテレビと新聞広告の比較を開始。

すると、新聞広告には「日本がわかる!●●(新しく搭載された辞典名)」「世界がわかる!●●(今までも搭載されていた世界辞典名)」「さっと調べる!●●(今までも搭載されていた百科事典)」とあった。これだ、分かりやすい!すぐに9時半の生放送でスーパーをつくり、髙田明、塚本らMCは声を大にして伝えた。

一堂に会す会議。対応を続ける現場。

11:30~12:30
当日調整会議。越智、氏田、塚本、町田、松田ら総勢28名が参加。
12:00ごろ~
30分~1時間ごとに地上波で90秒を中心とした放送。

11時半、調整会議。リアルタイムで対応を続ける塚本、松田らメディア制作部門、越智たちコールセンターだけではない。町田らバイヤー、氏田のメディアミックス、物流センター、在庫コントロール部門、そして、各部門の所属長が一堂に会した。集まった28名は、「オールジャパネット」でお客様の声に即応、必ず売り切るための策を練った。

お昼を過ぎるとテレビ、ラジオの放送量が増加。現場では対応が続く。

最上位モデルであることが十分に伝わっていないと分かれば、松田たちインターネット制作は、はめ込み画面に使われた画像を高級感を訴求できるものに差し替える。「50音入力はできないの?」との問い合わせには、その項目を急きょサイトに加えることで応じた。

そして、24時間後。

16:00~17:00
2回目の当日調整会議。
18:00
物流センターで当日配送分の最後の積荷(18:00以降は翌日分の箱詰め作業)。
19:00~21:00
120分の長尺地上波ローカル局4局同時放送。
24:00
受付終了。インターネットでも電話でも受付終了へ切り替え。

メディアだけではない。越知のいるコールセンターも、検証と修正を繰り返していた。品質を管理している部署が電話の内容をモニタリングして確認。スムーズに案内できていないことや順番を変えたほうがいいことなどは、話す内容をその都度変えた。テレビやラジオのMCの訴求するポイントが変われば、今度はコールセンターが、それに沿った内容でお客様へ商品をお勧めしていく。

16時、2回目の調整会議。ラストスパートに備えるための最後の話し合い。18時、物流センターで当日配送分の最後のトラック積荷作業。19時、地上波ローカル局4局で120分の長尺同時放送

――電話は鳴りやまない。細かな微調整も、改善も終わらない。お客様の声をリアルタイムで反映させながら、全部署は一丸となってチャレンジデーを走り抜けた。

そして、翌日の24時。ジャパネットの「挑戦の1日」は終わった。

100点満点ではなく合格点。

結果、膨大な数の電子辞書がたった1日で売れた。具体的な数字を示すことはできないが、「ジャパネットで何かが起こる!一日限りのチャレンジデー」とMCが言うたびに1台が売れた計算になる。しかし、氏田に言わせると、100点満点ではなく合格点らしい。

「チャレンジデーは、予測した売上と全く同じとなったときが100点満点です。電子辞書はわずかの差があったので合格点」。売り残りがないということは、もちろん合格の条件。「この企画は翌日はできませんからね。幸い、これまではすべて成功しています」。

ただ、早く完売してもいけない。「24時ギリギリまで購入を控えるお客様もいます。その前に完売すれば――代替品をご案内しているものの――、そういう方に申し訳ない」。

静かに次の日が始まる。

松田は言う。「何カ月も前から準備してきた商品を、明日から多くのお客様が使ってくれる。そのことに大きな満足感を覚えます。それに、チャレンジデーでは、展開媒体をもとに各メディアに売上目標が設定されます。達成したときはもちろんうれしい」。

電子辞書では、収録されているコンテンツを全部紹介する戦略が功を奏し、インターネット制作は課せられた目標をクリアした。松田も大きな達成感を得た。「でも、その気持ちを引きずることはありません。次の日は、また次の商品を普段のように売っていきます」。

越智もうなづく。「事前の準備が上手くいき、終わったときは『お客様の期待に対応しきった』という達成感を得ました。

けれど、翌日にも、たくさんの生放送が予定されていて、その心配のほうが大きかった(笑)」。

何でもできるんじゃないか。

テレビは、と塚本。「紹介した内容に関して、『もっとこうできたのではないか』と考えてしまう。達成感はあまりないんです」。

ただ、と言葉を続けた。「チャレンジデー1日の反響はものすごい。この日も、普段とは桁が違う商品数をご購入いただいた。この1日を体感すると『ジャパネットはなんでもやれるんじゃないか』って感覚になるんです。次はどんなことにチャレンジしようかと、いつも、ワクワクした気持ちを覚えてその日を終えます」。

ジャパネットが凝縮された24時間。

町田は言う。「私は、今回電子辞書に搭載された百科事典に、本当に魅力を感じました。チャレンジデーまで、その百科事典の存在すら知らなかった人も多いでしょう。それを、制作メンバーのつくったメディアの力と、MCの言葉の力によって、何万というお客様に伝え、気持ちを動かし、買っていただくことができた。しかも、その数日後には使っていただける。

大げさかもしれないけれど、それによって、人生が変わる人も必ずいると思うんです。それは、すごいやりがいです」。

自分たちが関わった商品を、たくさんの人に、明日から使ってもらえるという高揚感。どのメディアの、どの仕事であっても、その満足、喜びを感じると、全員が口をそろえた。

塚本が最後に言った。「このチャレンジデーのように、商品に、お客様に、真正面から取り組み、全力を尽くす。それによって、自分の考えや動きが、会社を、そして世の中の多くの人の生活を変える醍醐味を味わう。それがジャパネットの仕事なんです」。

前編:その日を迎えるまで。

  • 町田 敦
    町田 敦
    株式会社ジャパネットたかた
    商品開発本部 第一商品バイヤー部 シニアリーダー
    2014年キャリア入社
  • 氏田 いずみ
    氏田 いずみ
    株式会社ジャパネットたかた
    全社商材戦略部 シニアリーダー
    2001年新卒入社
  • 松田 武士
    松田 武士
    株式会社ジャパネットたかた
    インターネット企画部 部長
    2000年キャリア入社
  • 塚本 慎太郎
    塚本 慎太郎
    株式会社ジャパネットたかた
    メディア企画制作部
    ラジオ企画制作課 シニアリーダー
    1998年キャリア入社

    ※チャレンジデー当時:テレビ制作部 シニアリーダー

  • 越智 英二
    越智 英二
    株式会社ジャパネット
    コミュニケーションズ 執行役員
    2001年新卒入社